ぼっちママのぼちぼち育児

ゲーム大好きわんぱく息子くんとぼっち気質ママemanonの日記。

実家が処分された後の話


実家引っ越し直前にサルベージされた晴明神社のお守り。危うく置いていくところだった。


夏に実家が売却されたあともたま~に近くを通っては「ああ、まだあるな」となにか安心?したような気持になっていたのだけど、年明けに近くを通ったら更地になってた。

元の家は借家として出すには大きすぎたらしく、潰して新しい家が2軒くらい?建つ予定らしいと聞いてはいた。
いっそ新しい家がもう建ってたら、ああ新しい家だな、ここに誰かが住むんだな、ぐらいで済んだのかもしれないが、更地になってると「実家無くなった!」ってのがダイレクトにくる感じ。喪失感がすごい。
何か月も経ってるしさすがにもう取り壊してるよな~って分かってはいたんだけど。目の当たりにすると違うなあ。
母が「取り壊すところは見たくない」って言ったんだけど気持ちがよく分かった。



なんとなくネットを巡っては「実家 売却した」とかの単語で検索をかけ同じような心境の人がいないかを探してしまったりもした。
圧倒的に『親が亡くなったから一戸建てを処分した』パターンが多いのね。
泣けてきて遺品整理が進まないとか、そんな話を読んでいるとさもありなんと思う。親が健在でも実家無くなると寂しく思うのに、親が亡くなった後だと辛さが半端ないよなあ。そりゃあ、誰も住みはしなくてももう少し置いておこうよとなるよなあ。
そして遺品整理しなきゃと思いつつ親の死に正面から向き合うのはつらくて、心にしこりを残したまま見ないふりで日々を過ごし、人の住まない家は荒れていき、最終的にどうしようもなくなって業者に頼んで処分することになって…
ってなりそう。
そんなことになる前に母自身で処分してくれてよかったなあと思ってる。値が付くうちが華だわな。



加賀乙彦の小説に、『親が健在のうちに金銭的な関係で実家を手放した人の話』があると聞き、「雨の庭」を図書館で借りて読んでみた。
読み物として面白いかというと「そんなに」って感じだけど、広い戸建から集合住宅にうつる際に、荷物が多すぎるから処分せざるを得ない描写とか、倉庫から出てきた懐かしいものに心が動くさまとか、共感できる所が多かった。
柱の傷などから、自分は忘れてしまった、けれど家が記憶していた情景を思い出されるところとか。切ない。
何気なく過ごしていくうちに忘れてしまうもののなんと多いことか。

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